YOKOHAMA BAROCK KAMMERMUSIK ENSEMBLE since 1991

Vol.4 2007

バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
全6曲演奏会

ヴァイオリン 小笠原伸子

2007年9月17日(月・祝)7時開演 横浜みなとみらいホール小ホール

bach2005

プログラム
J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調
・・・・・・・・休憩・・・・・・・・
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番二短調
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調

・・聴衆から時間を奪う曲と演奏者

無伴奏バイオリン組曲の冒頭の1小節。あのもの悲しい旋律に接した瞬間、
私は引き込まれ、魂を奪われ、ほかのことが考えられなくなる。バッハは何を
考えてこんなに思索的な音楽を書いたのだろう。

そして、楽章がかわれば楽しい村の踊りが目にうかぶ。一方で、現代音楽かと
思わせる激しいところもある。実に刺激的、あるいは挑発的でもあるのだ。
小笠原さんによると、6曲すべてを弾くと2時間かかるそうだ。昨年の公演で
私は小笠原さんの無伴奏全曲を聴かせていただいた。時のたつのを忘れた。
いったいどうやって、バイオリンであんなに音を重ねられるのだろう。

聞くところによると、この組曲の楽譜はそのままでは演奏不能なところも多々
あり、演奏家は独自の工夫を迫られるという。
「楽譜があっても演奏できない難曲」を、なんと小笠原さんは楽譜なしで弾く。
バッハにもあきれるけれど、それを演奏する人にも驚嘆するしかない。
音楽家は才能があるがゆえに苦難の道を選ぶ。私たち凡人は、天才たちの
精進からこぼれる音楽の恵みをわけていただいている。

感動をわけてもらう恩返しに、私たち音楽ファンは、この小さく可憐な花のよう
な室内合奏団を応援してゆきたい。こういう素晴らしい楽団をもてることが街の
文化の豊かさだと思う。

     元朝日新聞横浜総局長 中島泰

プログラムに寄せて

夏も終わりに近づく頃、新たなバッハとの出会いを楽しみに、無伴奏の楽譜を
見直すようになってから、4年がたちました。

今年の夏は、フィエーゾレというフィレンツエ近郊の町に、マンガレッリさんという
オルガニストを訪ね、1100年ぐらいに建ったロマネスク建築の素晴らしい教会の中にある大オルガンでバッハのコラール前奏曲を弾いていただき、しみじみと感動しました。建物の響きごと存在するバッハのオルガン音楽、オルガンの何十種類もある音色の変化を目の当たりに感じ、オルガニストバッハの大きさ、多彩さを改めて体感しました。
今年はどんなバッハを弾くのか、自分でも楽しみです。何歳になっても、いつどんな時にでもバッハのこの作品が身近にあり、出会うたびに新しいことを一つずつ発見して
いける幸福に感謝しつつ、今日も心をこめて演奏したいと思います。

J.S.バッハ(1685~1750)の自筆譜には〔通奏低音伴奏なしのヴァイオリンの
ための6つの独奏曲第1巻・1720年〕と記され、続く無伴奏チェロのための組曲6曲が第2巻とされています。通奏低音に重きを置くバロック音楽の中の、通奏低音なしの
曲を弾くという事は、かなりの困難を伴いますが、鍵盤楽器奏者でもあったバッハは、
この曲集の中の同じ曲を、鍵盤楽器やリュートのための曲として、又カンタータの中の曲としても書いているので、それらを知ることは大きなヒントとなります。その上で、
やはり感動するのは、少ない情報量ゆえに却って想像の豊かな世界が広がるこの
シンプルな音の世界の魅力でしょうか。

曲集は1720年、バッハが35歳の時、ケーテン公に使えていた時期にまとめられ、
現在ではファクシミリが手軽に手に入れられる自筆譜は、1917年からプロイセン文化財図書館の所蔵となっています。

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