YOKOHAMA BAROCK KAMMERMUSIK ENSEMBLE since 1991

Vol.6 2009

バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
全6曲演奏会

ヴァイオリン 小笠原伸子

2009年9月23日(水・祝)1時半時開演 横浜みなとみらいホール小ホール

プログラム
J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調
・・・・・・・・休憩・・・・・・・・
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番二短調
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調

至福のシャコンヌ   神奈川新聞・論説主幹   福江 裕幸 

 N響の元ソロコンサートマスター徳永二男さんに取材した折のこと。バイオリンを構えたポーズ撮りの
ついでに「シャコンヌを」とお願いしてしまった。徳永さんは嫌な顔をせず、しかし、冒頭の数小節だけ弾い
て照れ笑いされた。

 バッハのパルティータ第2番に収められたシャコンヌは、独奏バイオリン楽曲の中でも難物ながら最も
美しい作品だと思う。「ちょっと弾いてみて」とはいかにも厚かましかった。

 知人に40年余、この大曲に打ち込むギタリストがいる。もう何千回と弾いたが、会うたび「まだ不出来」
と頭をかいている。

 かのブラームスも「このような作品を自分で書けたらどんなにいいだろう」と嘆息した。最後の交響曲
第4番のフィナーレに壮大なシャコンヌ楽章を書いたのも、バッハへのあこがれゆえだったかもしれない。

 小笠原伸子さんもバッハ大好き人間である。無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲を
毎年のリサイタルで弾く。さわりの部分、いいとこ取りではなく、惜しげもなく、全部やってしまうところに
その真骨頂をみる。

 作品番号も一連のこの6曲には、連続して聴いてこそ分かるものがある。それはバッハの深遠な設計
思想である。6曲それぞれに配された舞曲やフーガが築き上げていく大伽藍の中心にシャコンヌがそびえる。
その敬虔な高みに向けて全曲が従えられているのだ。

 それを明らかにしてみせたのは小笠原さんの手柄である。いいとこ取りしかしてこなかった私は、
彼女の全曲演奏に接してそれを知った。以来バッハを聴く喜びが倍加した。今宵も至福のシャコンヌが
聴ける。

プログラムに寄せて (当日のプログラムに掲載したものです)

 本日はバッハの無伴奏の演奏会にお出かけいただき、有難うございます。念願だった全曲演奏を
2004年に始めてから、今年で早6回目を迎えます。私の誕生日のささやかなイヴェントです。 

 想像の世界に生きていた小学校の高学年のころ、バッハの無伴奏ソナタ第1番をレッスンの課題に
もらった私は、すっかりこの作品に引き込まれてしまいました。夜真っ暗な中で弾いていると、自分の
周りは満天の星で囲まれて、何時間でも弾いていたい気分になるのでした。

 今思うと随分変わった子供だったかもしれませんが、弾きながら音楽の奥深いところにある泉まで
降りて行けるような気がして、この音楽の神秘な魅力にすっかり浸っていたのでした。あれから何十年、
バッハをこうやって弾き続けて来られた事は、ヴァイオリニストとしてとても幸福なことだと思っています。

 特に、この6年間、6枚の連作の絵のような6曲を、何度も並べて弾きながら、バッハの意図するところを感じ
考えてきたことは、とても貴重な体験です。
 いくら練習しても、これで良いと思えることは一度も無い位、深遠な世界を持つ作品です。どれもが美しく、
弾けば弾く程好きになる曲達に感謝をこめて、今夜も演奏したいと思います。 (小笠原伸子)

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